RHYMESTER/リスペクト featuring ラッパ我リヤ(アレサフランクリンネタということで)
訃報:ソウルの女王 アレサ・フランクリンさん76歳 – 毎日新聞
ソウルの女王であり、公民権運動やフェミニズムでも象徴的なアーティストであった。代表的な曲といえばthink。
今回のお話としてはRESPCET。
RESPECTも、女の立場から男に物申すといったスタンスで歌った曲で、ライムスターもリスペクトfeat.ラッパ我リヤでサンプリングしていた。イントロの”あーるぃーえすぴいーしーてぃ♪”ってところが遅回しで。
メインのループのネタはFela KutiのWater No Get Enemyで、Pete RockがINIのGrown Man Sportなんかで使っていたりもする。
話をライムスターに戻すと、この女側からの立場で男に敬意を払うべきというRESPECTを引用した曲で「男は顔じゃねえ中身だ!」というリリックのでる曲というのも何か繋がっているような気もするしそうでもないような感じが面白い。
ともあれ、アレサフランクリンのRESPECTでの男女の関係を繋ぐものとはリスペクトという。愛だけではダメというところがこの曲の名曲たらしめるところではないかと。
ここでライムスターのリスペクトのリリックを見てみる。東西南北のベストを繋ぐものとして
繋げる七つのアルファベット
つまり R.E.S.P.E.C.T.
と、立場が違えどリアルな奴らはリスペクトでつながるということだが、伝説のライムスター武道館公演の名場面、リスペクトに入る前のMC
この客席からの「リスペクトー!」って声は誰だったのかという話が面白いけど置いといて、マミーDが金も欲しいが何故続けてこられたかということ、つまりはリスペクトだというくだり。ここ最高。
リスペクトは立場が違う者同士を繋ぐということでもあるし、過去から現在、そしてその先も繋ぐということを考えるとこう何かエモみというか色々やってること自体への疑問の答えというか、ある種の肯定をもらった感じあったね。当時。
人間の付き合いというのも打算的な乗り合いで成り立つようなものがほとんどだろうが、一つの割り切り方であったり違う立場への尊重というものをヒップホップの文脈で使われる、日本語で直訳するところでの尊敬や敬意とはまた違うニュアンスを含んだリスペクトの概念を何となく体感したようだった。
そういえば、その武道館の前くらいの時期のライムスターのライブのMCで、日本語ラップ史に残る名盤リスペクト(アルバム)をリリスースしたばかりのライムスターのツアーをした話を思い出す。今となっては名盤とは言われるが、まだまだライムスターがその名を浸透させてはいなかったので、地方では4~5人くらいの客しかいなかったらしい。
しかし、どんな人数でも全力を尽くしライブをしたということで、それは客のリスペクトを信じそれに応えるべくパフォーマンスしたことに他ならない。その後、年月を経てその時の客たちに再開し、自分たちがそのころしていたことは間違いではなかったと思ったそう。
あの名盤をドロップしたころのライムスターでさえ、していて意味のあるかわからないことを肯定するにはリスペクトという他者のプロセスが大きかったということをいうだけあり、自分で自分を誇る自己完結の難しさというものも感じるし、最近おちょくられ気味な承認欲求というものの付き合い方というか認め方も考えるところあるわけで。
ということを思い出したり考えたりした。最終的に関係ないこと書いたりしたけどアレサフランクリンさん、安らかに。
ところでライムスターはこの武道館公演で活動を休止、その後はメンバーがそれぞれの活動をしたわけだけど翌年早くも活動を再開してて、割と何も言わずに2~3年は音沙汰無しな人はHIPHOPで結構いるけどライムスターのそんな律儀なところリスペクト。