主な日本語ラップグループの再結成の動機と経緯まとめ
バンドの解散理由というものは、金銭から方向性の違い(金銭の理由をマイルドにしたものも含む)とかいったものや、日々の制作やライブをこなすことに明け暮れているうちに何となく別れ話を切り出そうとする男女のごとく、みんなこのままでいいのかなと思っちゃってという心境に…というところなどがよく出てくる。
そして再結成&再始動。別にそれもお金でもなんとなくでも俺たちのピースなバイブスをまたみんなに感じてもらいたかったからでもなんでもいい。
ということで、日本語ラップグループ再結成&再始動理由をご覧あれ。昔つるんでいた仲間と何かまたしようかと思っているけど、言葉が出てこない方々よ参考までに。
MICROPHONE PAGER(2009年再始動)
90年代に日本語ラップに大きな影響を与えたペイジャーの2009年の再始動について。アルバム王道楽土をリリース。
再始動の理由
TWIGY :やる時期が来たと思ったから。
このときは結成17周年、アルバムから14周年というあまりキリがいいといえないかもしれないが、本人たちがやる時期でだと思ったのだからそれがベストだ。
EAST END(2003年再結成)
前年にはキングギドラが期間限定で再結成していた年である。再結成のきっかけはGAKU-MC、YOGGY、ROCK-Tの三人で飲む機会を繰り返すうちに、やろうということになったそう。GAKU-MCがいうには酒の力もあるとのこと。
KICK THE CAN CREW(2017年再結成)
アルバム、KICK!をリリース。2014年にROCK IN JAPAN FESTIVALをリリースした際、KREVAがその時から制作をしていけば2017年の結成20周年に合わせてリリースできるからと述べた。通常、メジャーレーベルなどから楽曲をリリースする際はこの時期に出す曲を作るようお達しがあったのちに、それに向けて用意をする。KREVAはこの自分たちの20周年を自らの意思で進めていきたかったそうだ。
一方LITTLEは
「このまま3人でライブに出演し続けていたら、『こいつら曲はもう作らないのかな?』と思われるかもしれない。だから、『やばい! 曲作らなきゃ』って(笑)」
と述べる。
ところで2019年、BIGZAM(BIG-Z)がグループ名のタトゥーを入れるなどしていたNITRO MICROPHONE UNDER GROUNDもさんピン20以来の再始動のアナウンスがされているがまだ動機というものは語られていない。デビュー20周年にあたる年を意識していたことは間違いなさそうだ。
妄走族2014年(再始動)
般若が正式に脱退を表明した年でもある。前作から10年の時を経て再始動した理由をamebreakのインタビューで尋ねられたDENは、いつかやろうと思った、ふたを閉じようとした、終わらせなければ始まらない、などグループへの愛着と区切りをつけなければならないけじめとが混ざりあった複雑な心境を述べていた。この般若不在の2014年インタビューで
俺は般若が武道館に行ける男だと思ってるし、ヤツには一度の武道館公演だけで終わってほしくない
と語っている。
妄走族は同年DJ DECKSTREAMの遺作となるアルバムに参加、2015年解散となる。
KGDR(2011年再結成)
キングギドラ2002年の期間限定再結成から10年近くの時を経て2011年に再結成。権利の関係でKGDRの表記となる。同年4月の大阪城野外音楽堂で開催された東北地方太平洋沖地震チャリティーライブ「KEEP YOUR HEADS UP!」に出演。シングル、アポカリプスナウをitunesでリリース。売り上げの一部は、被災地へ寄付とのこと。
再結成の動機については、東日本大地震に際し自分たちも何かがしたいという感情で再結成を決めたという。
まとめ
一通り見てみると、時の流れを意識してそろそろ何かをやろうと思っていたということを考えていた場合が多い。もし疎遠になっていた仲間とまた何かをやりたくなった時、それはあなたではなく相手もそう思っているかもしれない。声をかけてみて、そうでなかったら今はその時でもないとまた違うことに打ち込むだけだ。
ところで、金のための再結成と邪推したくなるのがこの再結成関連の話題だけど、音楽で食い扶持を稼ぐミュージシャンとしては、金のために何かをするのはごく当たり前のことで、そのパートナーをかつての仲間に選んだというごくシンプルな話だとは思うけどね。だけどね、これは音楽とかの話じゃないけど、あなたの友達だった人がいきなり何年もたってから「お前と一儲けしたいと思ってるんだ」なんていってきたりしたら注意が必要かもしれない。
他には「夢もってる?俺とでかい夢を(略)」とかね。